「I・R・I・A」より



 熱い。

 身体が熱い。
謎のレベルS外宇宙生物ゼイラムに倒されてから、何時間過ぎたのだろう。
ヤツに その女戦士の姿態を犯され なぶられつづけ、
イリアの意識も身体も胎内も、ドロドロに汚されていた。

 空気が熱い。
捜索者として イリアが守るべきこの都市は、
ゼイラムの侵攻の前に 無残にも紅蓮の炎で包まれていた。
そこは 轟々と轟く 風と炎の渦、熱波の世界。灼熱の地獄だった。

  ベチャッ…

 己の体液と、禍々しい触手の粘液とに濡れた大地へ
イリアの頭が 力なく落ちた。

「はぁ、はぁ、はぁ……ゼイ、ゼイ、ゼイ…」
 熱い…。身体が…大地が…空気が…熱い

 まだ意識だけはかろうじて残っていたが そんなものはこの状況では
なんの役にも立たなかった。
かえって この地獄そのものな絶望感を 感じるだけだ。
必死に修練し 鍛え上げた この精神力が恨めしかった。

  グイッ。

 再びゼイラムが イリアのぐしゃぐしゃな髪を乱暴に掴み上げ、無理やり身体を起こした。
「この、底なしめ…」
 思考をそのまま口に出す。
 ゼイラムの愛撫が始まる。
しかし、そんなものは今のイリアには意味は無かった。
熱さと疲労とで ささいな肌の触感など感じる余地は無い。
だが、ゼイラムと触手の 女体への欲望みなぎる イリアへの責めは続く。

  チリン…
 イリアの左の髪の房飾りが、身動ぎしたさいに 落ちて転がった。

「あ…兄さんの」
 かえってくだらない物だけは 目に入るイリアが 目ざとく見つける。
あれは ただ一人の肉親であり憧れでもある A級捜索者の兄グレンからプレゼントされたものだ。
「………」
 化け物も 動きを止め 何故かコロコロ転がるその飾りを 目で追った。

「イ゛……リ゛……ア゛……」
 ゼイラムが 何か言葉らしきものを発した。
「…!?」
 イリアの顔に驚きの表情が浮かんだ。

「イ…リ ア、イリ…ア、イ゛リア、イリア…」
 ゼイラムは ハッキリと「イリア」と彼女の名を発し、
先よりさらに勢いづき 彼女を求めてきた。

「兄さん、兄さんなの?」
 イリアは叫ぶが、ゼイラムは何も応えない。
ただ 力ずくで欲望のまま 彼女を抱きしめ 貫くだけだった。

 ガクガクとぶれる視界の中で イリアは確信した。
  ゼイラムは 兄グレンだ…と。
 先の戦闘で イリアの為に しんがりを務め最後まで ゼイラムと闘ったグレン。
その戦いの結末は知らない。ただ帰ってこない兄 という事実が在るだけだったが、
今 ここで このゼイラムの中にある兄の存在を イリアは兄妹の血の交感でハッキリと認識した。

 その 兄の妹への 秘めたる 想いとともに…

「兄さん…、あたしも好きだったんだ。兄さんのこと、
 欲しいんだよね、あたしが…。いいよ。いいよ、大好きだよ」

 相変わらず 化け物の力に 成すがままに身を任せるイリアだが
その身体は 軟らかく しなやかに跳ね上がり、
その表情には 恍惚の笑みが浮かんでいた。

「イイ…イ、リ ア、…イ リア、イリア、イリリ…ア」

「っあ…はあ、グッぐッぐッ…あぁぁん」
(うん、もういいよ。何処までも二人で堕ちていこう…) 

 彼女の意識は 絶望と 兄への想い、熱さとにつつまれ ゆっくりと落ちていった。



Rが逆なのはわざとです。


「I・R・I・A」より
イリア(前) ゼイラム(後ろの化け物)

「炎(恋)獄」


 リクエスト投票 第6位の、闘うヒロインシリーズ おおトリのイリアさんです。
原作は SF特撮のカリスマ 雨宮慶太の実写特撮映画「ゼイラム1.2」の
メディアミックス 桂正和キャラデザのOVA「I・R・I・A」からです。
 女戦士ということで 私には珍しく ボロボロのグチャグチャにしてみました。
命を賭けた戦いは非情で残酷なものです。首チョンパにするのも エロサイトでは趣旨が違うので
ドロドログチョグチョやってみました。気を悪くした人 いましたらゴメンなさい。
 タイトルは ちと雨宮チックに狙ってみたけど 何か違うかも。
 一応 この後は 現実主義な口先親父のフジクロが、
禁断の兄妹愛ドラマをぶち壊して イリアを助け上げます。
でも実際 イリアもアニキも そのフジクロと同じレベルの思考回路かな。(耽美は顔だけ) 

 リクエストキャラ投票の結果

2001-07/