「サクラ大戦3」より


「ふ〜ふ、ふ、ふん。たららた、たん。……乙女〜♪」
「ご機嫌ね。シー」
 ここは 劇場シャノワールの昼下がりの厨房。
今日は久方ぶりのステージ休みの日であった。
今夜、巴里歌劇団のメンバーをあつめて、シーの手作りお菓子を お茶請けに
女性限定のパジャマ・パーティーをやる予定なのだ。
 駄目モトで誘ったメルが、意外にもケーキ作りの手伝いをOKしてくれた事に上機嫌のシーだった。

「だってぇ。メルがやっとお菓子作りの楽しさを分かってくれたんだもん」
「そんなことないわよ。私だって小さい頃は よくクッキーとか作りました」
「じゃあ ど〜して 今はやんないの?」
「…シーが趣味の料理得意って公言してるから、
 私の出る幕じゃないでしょ」
「え、嘘? そんなこと思ってたの?ほんと?」
「嘘よ。私、シーみたいにお菓子作り上手くないから。
 もうちょっと 落ち着いた感じの 刺繍とか読書とかが好き」
「そっかなぁ〜 このバタバタしたのがスリリングで愉しいのに」
「そんなこと思うのはシーだけ」

 暖かな日差しが差し込む 巴里の厨房の
仲良しげなメイド姿の二人。

「でも、メル手先 器用だよね。なんか予定より早く出来ちゃいそうだね」
「そうねぇ。出来立ての一番美味しいから…どうしようか」

「じゃじゃじゃ〜ん、そういう時は コレコレぇ」
 下からゴソゴソとシーが取り出したのは 料理用のお酒他
お菓子の味付けのブランデーなど とにかくアルコールのたぐい一セット。

「ソレをどうするの?」
「決まってるじゃん、景気付けに乾杯ですぅ。
 お酒が 入っちゃうと あたし あっという間に時間が跳んじゃうからぁ」
「………。」
 メルは雄弁なため息。…も つかの間。
「ちょ、ちょっとシー、止めなさいって、昼間っからお酒なんて みっともない」
「これは ただのつまみ食い ロベリアさんみたいにバーでやってるわけじゃないから
 いいじゃん、いいじゃん」
 巴里の大怪盗で今は大切な華激団の隊員のロベリアの彼女らしげな素行を持ち出すシー。
だが 彼女の頭が回っていたのはそこまでだった。

  ガラガッシャーン!
テーブルの上の 作りかけの材料が散乱した。

 よほど機嫌が良かったのだろう 調子に乗ってブランデーをラッパ飲みしたシーは
自覚のあるようにアルコールに弱いようで あっという間に足にきて
せまくるしい厨房の床に 引っ繰り返った。

「大丈夫 シー。ほら水 飲む?」
 何処にも怪我が無いか気を配りながらメルはシーを抱き起こした。

「頭がぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる るる………ぅうぷっ、気持ち悪〜いですぅ」
 意識はあるようだが 顔が真っ赤に上気していた。
「水なんていらな〜いのぉ、それより暑〜いですぅ」 
「もう しょうがないんだから」
 パリッとしたメイドのお仕着せの襟元をくつろげるメル。
「メルのエッチぃ〜きゃははははは…」
 シーは じたばたと もがいた。その靴がテーブルの足を蹴飛ばしたのだろう。
二人の上にテーブルの上から 生クリームを泡立てていたボールが降ってきた。
 生クリームまみれの メイド二人。

「……もう、ベトベト。服脱がして そのままシャワー室行くからね。ジッとしてなさいシー」
 自分の頬についたクリームを舐めることに夢中になっているシーは おとなしくなっていた。
「うん、オイシ♪」
 満足そうにペロペロ舐めていたシーだが、あきれかえって顔で 彼女の服を脱がそうとしている
メルと視線が合うと、ゆっくりと目が据わり そして獲物を追う視線にかわっていった。

「メ〜ル〜♪」
 がばぁ! 酔っ払いの 加減を知らない馬鹿力になすがままに組みひしがられるメル。
その彼女の頬についたクリームを美味しそうに舐めとると、
「メルも一緒〜♪」
 と、強引にメルのブラウスの胸元を広げるシー。

 二人もみあううちに メルの裸の小さな胸も生クリームまみれになっていった。
「ケ〜キ、ケ〜キ、イチゴのショ〜トケ〜キ♪」
 生クリームでコーティングされた柔らかなふくらみ、いただきの乳首をデザートに見立てた
親父な発想だが、酔っ払いには理屈がきかないのだ。
 それと 自分の小さい胸を気にしているメルがその時
 (失礼ね。そんなに乳首でっかく見えるのかな。
  せめてサクランボくらいに見えないのかしら)
 と 思ったのもシャノワールの十の秘密の一つである。


 

メルの微乳、シーの巨乳はオフィシャルです。


「サクラ大戦3」より
メル・レゾン(左) シー・カプリス(右)

「メイド二人」



 リクエスト投票5位は 時事ネタさん。ドリームキャストのサクラ大戦3より、
背景キャラ(といいつつも好感度があります)の 几帳面でしっかりモノで人見知りなメイドさんメル・レゾン君です。
サクラシリーズやったことある人には 今更の第3ヒロインの受付嬢ですが知らない人の為に云ってみました。
流石に攻略は出来ません(エンドCGはあったりしますが)けど そんなキャラです。
 こちらは 応援コメントが0と 霧香ロボを上回る人見知りの激しさの為、
プレイしたことある私がシチュ勝手に決めました。やっぱり この二人はセットでしょう。
話 今書いたんで もっと生クリームでデコレーションしてあげれば良かったかなと思ったのも 後の祭りです
…いや、別に出来ない事無いですけど 今日の仕事は これでお終い。

 リクエストキャラ投票の結果

2001-07/25