「宇宙よりも遠い場所」
玉木マリ 小淵沢報瀬 三宅日向 白石結月

 「宇宙よりも遠い場所」は正月三元日から三月の最終週まで全13話、
冬クールを最初から最後まで、みっちり全力で駆け抜けて終わりましたね。以下ネタバレ。

 いしづかあつこ監督作品は初めて見ましたが、1話から名作の予感の雰囲気たっぷり。
2話でシラセがはっちゃけてヒナタ加入で、小難しい質アニメかと怪訝に見ていた人を掴んで、
3話のぼっちアイドル結月の出会いから加入の見事な起承転結のドラマで毎回が神回と呼ばれるように。
5話で青春の影に切り込んでも爽やかな旅立ち。6話のシンガポールのシチュエーションコメディは笑って泣ける。
8話、船酔い話としてアニメ史上最強か。9話で念願の南極到達は3つの時代のドラマの末。
10、11、12話と昭和基地を舞台に主要3人の人間ドラマ。この頃には冬アニメ一番の声も大きくなってきました。
13話はエピローグ。
 プロデューサー曰く「普通の女子高生が南極に行って、帰ってくる話」を見事なまでに描ききりました。

 ここ10年くらい深夜TVアニメは増える一方ですが、丁寧に情熱を持って面白さと技巧を練りにねって作った、
TVアニメに最適化した原作無しのオリジナルならではの傑作アニメとして後年に残るタイトルになりました。
前向きな気持ちに慣れる万人向けの作品。すごい物を見せてくれて、ありがとうございました。
 これだけクオリティ高くても原作がないとネットで評判高くなるのは中盤くらいからなんですよね。
5、6話で知る人ぞ知るから拡がった印象があります。


2018/03/31